◇最高の誕生日◇2012.10.24
私事ですが、先週の土曜日は45回目の誕生日でした。
おそらく今年の誕生日は一生忘れる事のできない思い出の日になると思います。
週末の土日にかけて本当に素晴らしいプレゼントを3つもいただきました。
一つ目は、土曜日です。
この日は六ツ小フェスティバル(小学校の文化祭みたいなもの?)での事です。
朝からストラックアウトのお手伝いをしてくれていた、チームの四年生の女子二人に
『おなかすいたから焼きそば買ってきて!』とお願いすると
『うん!いいよ!』と言ってかけて行きました。
もう、ホントかわいいなあ。
そして
『監督〜。買ってきたよ〜。』
焼きそばとおせんべいを買ってきてくれました。
おせんべいには
【かんとく】
って書いてありました。
も〜嬉しくって、嬉しくって!
本当にありがとう。
二つ目はお待ちかねの勝ち星のプレゼントでした。
しかも2勝!
今シーズンは勝ち星に恵まれず、苦しいシーズンだったので格別です。
特に二試合目のレギュラーチームの試合は試合内容も秀逸で、凄く感動した試合でしたので、久々にレポート
したいと思います。
TS 00001002 3
唐C 00010001 2
三回までは息詰まる投手戦でした。
均衡が破れたのは四回、二死三塁からセンター前に運ばれ先制を許します。
ここで気落ちしたエースを励ます為にタイムを取ってマウンドに行こうと思ったのですが、ふと、今日は子供達だけで
やらせてみようと思い
『H登!タイム取って集めろ!』
と指示してベンチから眺めていました。
結構長く話していましたが、輪が解けるとマウンドでエースが涙ぐんでいます。
『えっ!?どういうこと?』
ところが心配をよそにキッチリ抑えて帰ってきました。
あとから母達に聞いたところ
『R奈が頑張ってるんだから俺達が盛り上げていこう!』
と声をかけてもらい嬉しかったんだそうです。
気合いの入った投球で後続を抑えて帰ってきました。
何とか援護したい打線ですが、直後の5回に四球のランナーが盗塁と内野ゴロで三塁まで進み、パスボールの間に
ホームへ突入!
タイミングは微妙です。
審判の手が上がりかけて大きく横に開きます。
『セーフ!』
落球していたようです。
ギリギリの攻防ですがノーヒットで追いつきました。
この後も息を呑むような展開で、あっという間に7回を戦い終え1対1のまま特別延長戦に入りました。
私はこの特別延長戦というものをひどく苦手にしており、監督になってからの5年間で一度も勝ったことがありません。
周りのコーチ達もみんなそれを知っているので、延長戦に入った瞬間は大人達の方が嫌な感じになりました。
しかし、子供達は気力充実で鋭い眼光で円陣を組み8回表の無死満塁の攻撃に向かっていきました。
凄く頼もしく見えました。
今年の今までの戦いは、こういう展開になると、決まって終盤に集中力が切れ自滅したり、緊張感に耐えられずエラー
したりして負けてきました。
しかし、今日の子供達はチーム全員がシッカリと勝利を目指し、『勝つんだ!』という強い信念を持って闘っているように
見えました。
8回の攻撃は9番T中から。
スクイズを考えましたが、当たれば長打を期待できるのでそのまま打たせることに。
2−2からの5球目をすくい上げてレフトへ!
定位置のフライでしたが、三塁ランナーはタッチアップからホームへ突入!
そのフライをレフトが落球し、まずは一点でしたが、二塁走者は三塁フォースアウトで一死一二塁でバッターは一番S廣。
今日チーム唯一のヒットを打っていますし、ここが今日の肝だなと思いました。
期待に応えて粘って四球を選び一死満塁でこの所不振にあえぐ元四番の打席でしたが、この日も良い所なしの三タコで
作戦に迷っていました。
正直、後2点欲しいと思っていました。
最悪、ゲッツーが怖かったのですが、ワンボールからの2球目がワイルドピッチになり、労せずして2点目が入りました。
三球目はストライクでカウント2ボール1ストライクです。
スクイズのサインを出そうとした瞬間でした。
前進守備で空いた二塁にセンターが入ってきました。
セカンドランナーが牽制でアウトになり二死三塁。
直前に三塁コーチにセンターの動きに注意するように指示したばかりなのに・・・。
スクイズもできなくなり、バッターも
ボール球に手を出してあえなく三振。
結局、二点止まりで雰囲気も最悪です。
嫌なムードを引きずって8回裏の無死満塁の守備ですが、そんな心配はこの日の子供達には不要だったようです。
先頭の二番打者に初球を引っ張られ三塁線を破られた時は生きた心地がしませんでしたが。
ファールに助けられた後はボテボテの三塁ゴロで本塁フォースアウトで一死満塁。
次の三番打者は強い当たりの一塁線のゴロでしたが、Kでが逆シングルで上手くさばいて一塁アウト。
しかし、一点返されて二死二三塁と一打サヨナラのピンチは続きます。
しかし、今日のR奈は全く動じず、また、球威も衰えずに直球をビシビシ投げ込み、あっさり追い込むと三球目は鈍い
当たりのセカンドゴロ。
しかし、まだ安心はできません。
みんなが息をのんで見つめる中、セカンドK集がボールの正面に入り大切に、本当に大切につかんでファーストへ!
ファーストも大事につかんだ瞬間、大人も子供も全員がジャンプしてガッツポーズ!!
やり遂げてくれました。
試合後の挨拶で並んでいるR奈とH登の背中が小刻みに震えています。
挨拶して振り返った顔は緊張から解放された安堵と勝利の喜びでクシャクシャになっていましたが、本当に『いい顔』
してました。この二人にはこの一年、辛い思いばかりさせてしまいました。
今日、やっと、チーム全員が一つになって闘って、そして勝てたのはこの二人の献身的なチーム愛のおかげです。
涙の止まらない二人を見ていると、こんなにもこのチームを愛してくれていたんだと思い、私もたまらない気持ちで二人
の肩を抱きしめたら涙が出てきてしまいました。
振り返って、私の監督歴の中でも勝った試合で泣いている選手は初めてです。
しかも、優勝戦なんかでもないのに。
この所の悪い流れから、子供達なりにこの一戦に期する物があったのでしょう。
それが、もしかしたら誕生日プレゼントなのかなと勝手に想像して、喜びも倍増でした。
3つ目はその日の夜でした。
素晴らしい勝利にお母さん方が祝勝会を開いてくれました。
みんなで楽しく飲んだり食べたりしていると、部屋が暗くなり奥の部屋から大きなケーキにローソクが沢山!?
みんなが歌を歌ってお祝いしてくれました。
おんなじ誕生日のS廣Y人と一緒にローソクを消して、最高の週末のラストは嬉しいサプライズでした。
ジローコーチが一言
『監督冥利に尽きますね!』
本当に皆さんありがとうございます。
今回の試合で、本当に集中した時に子供達が出す底力の凄さをあらためて見せつけられました。
そして、それを毎試合発揮させられない自分の未熟さを痛感しました。
大人も子供達に負けないように頑張ろうと決意した試合でした。
監督
岡 勝明